大坪眼科医院
〒183-0011
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 火・水の午後は予約のみで終了しますので、お電話は早めの時間でお願いします。

火・水午後は通常の外来は行っていません

目の病気・治療

アレルギー性結膜炎(花粉症など)

症 状

  • 目がかゆい
  • 目症状例が充血する
  • 涙目になる
  • 目ヤニが出るまぶたがかゆい
  • 目の周りがかゆい
  • 目がゴロゴロする
  • まぶたがはれる
アレルギーの原因になる異物(アレルゲン)が目に入ると、それに対して過剰な防衛反応を起こすのがアレルギー性結膜炎です。
症状としては目のかゆみ・目やになどですが、擦ったり重症化することで、瞼の腫れ、結膜浮腫を起こして異物感や痛みを伴うケースも出てきます。
花粉症のようにアレルゲンが大量に飛来している場合などは、鼻炎などの他所のアレルギー反応も起こるため、様々な症状が見られます。

治 療

原則的に点眼薬での治療です。

抗ヒスタミン薬やケミカルメディエーター抑制薬は発症前に使用すると、予防効果もあります。

花粉症予防の為には、シーズンが始まる2週間ほど前から点眼や内服をお勧めしています。

薬にはケミカルメディエーター抑制薬、抗ヒスタミン薬、副腎皮質ステロイド薬などがあります。春季カタルなど重度のものに対しては、免疫抑制薬を用いることもあります。

内服はもっぱら皮膚症状や鼻炎に対しての薬となります。内服を処方することは可能ですが、皮膚や鼻炎に関しては当該科での処方がベストだと思います。

眼精疲労

症 状

 眼疲労
一般的に疲れ目を指します。休憩によって回復します。

 眼精疲労
休憩をとっても目の痛みやかすみ、頭痛・肩こりなどの症状が残りやすいです。

眼精疲労を引き起こす原因は、主に視器要因・環境要因・心的要因の3つに分類できます。

  1. 視器要因には、屈折の状態(近視・遠視・乱視)に対しての矯正の過不足や調節障害(老眼)など、眼の各種状況があります。
  2. 環境要因としては、PC作業におけるモニターの高さ・モニター画面への映り込み・部屋全体の明るさ・乾燥などが挙げられます。
  3. 心的要因は、仕事上のストレス・神経症・自律神経失調症など多種多様です。

対処方法

近年はスマートフォンの登場により、20cm程度の極近方を注視することが増えてきています。こういった近方注視により、調節緊張(ピントが動かせなくなる)が起こり、子供であれば近視の進行、大人であれば頑固な眼精疲労の原因となります。

調節力(ピントを動かす力)を客観的に測定し、年齢相当の調節力が残っているかをデータと比較して、診断や治療の評価を行うことができます。

治療としては点眼治療や作業中の定期的な休憩、その際の遠方視などを指導していきます。

また環境による眼精疲労が疑われるときは環境整備につき相談します。心因性に関しては当該機関へ相談する形となります。

ドライアイ

ドライアイの症状

涙の量が減少したり、涙液の保持時間短縮により目の表面が乾く疾患で、異物感や違和感が典型的な症状です。ドライアイという名前と矛盾しますが、乾くのが早くなるタイプでは、刺激により涙が増える原因にもなります。涙液が減少するタイプでは、眼表面に小さな傷がつき、治療しないと重篤な障害を残すこともありえます。
ほとんどは乾くのが早くなるタイプのものです。先日テレビでは、「油分が減るドライアイ」と紹介されていました。涙液の表面には瞼の縁のマイボーム腺から分泌された油の膜が張っていますが、それが減ると乾きやすくなるためです。


ドライアイの治療について

ドライアイ検査の結果をもとに「ドライアイかどうか」、また「どのようなタイプのドライアイか」をご説明いたします。

また、症状に応じてドライアイの治療を行っていきます。


基本治療として点眼療法を行います。基本的には人工涙液や眼表面を保護する働きのあるヒアルロン酸、水分を保つ涙液中の成分ムチンを増やす点眼などを用います。

涙液が減少するタイプでは、自覚症状が軽快しない場合や、眼の表面の傷が改善しない場合は、涙が排出される涙点(上涙点/下涙点)にシリコン製やコラーゲン製のプラグ(栓)を挿入することで、涙を長く残留させる治療を行います。

白内障

症 状


 白内障とは
老化の一つで、眼の中にある水晶体が濁る、膨らむ、硬くなるという状態になっていきます。通常40代なかば頃から現れ、進行すると視力低下、かすむ、まぶしいといった症状が強くなっていき、60~80代で手術に至る方が多いと思います。糖尿病やぶどう膜炎、アトピー性皮膚炎などに続発することが知られており、通常よりも若い方でも手術が必要となるケースもたまにあります。眼の中が狭くなって起きる閉塞隅角緑内障などの原因にもなります。


治 療

白内障の治療は手術以外にはありません。進行を遅らせると謳っている点眼薬も存在しますが、効果は不明です。当院では御本人の希望がない限り処方しません。

手術のタイミングは、症状について困っている場合になると思います。ただし、それ以上進行すると手術難度が上がってしまいそうな場合、閉塞隅角緑内障の危険がある場合、小切開緑内障手術の適応の場合などでは、早めにおすすめする場合もあります。

手術が怖いので先延ばしにしたいという方は多くおられますが、一般に白内障手術は白内障が進行するほど難しくなっていくため、難しい手術になるのを待つという形になってしまう場合があります。怖いと思われる方ほど、場合によっては早めに手術するのがいいかもしれません。



緑内障

症 状

 緑内障とは
光を感じる組織(網膜)に分布する神経が徐々に死んでいく病気です。結果として、死んだ神経が担当していた部分の視野が欠けていきます。進行性の病気のため、放置すると失明の危険があります。また初期の段階では自覚症状がないため、健診などで早期発見が勧められています。

現在のところ欠けた視野を元に戻したり、完全に治癒させる方法はありません。現在可能かつ効果が認められる唯一の治療は眼圧(眼の内容物が外に向かってかけている圧)を下げることで、可能な限り視野を残すというものになります。

日本人では眼圧が上昇しない正常眼圧緑内障が圧倒的に多いため、眼圧が高くないというのは安心材料にはなりません。

眼の中の水の出口が狭くなって起きる閉塞隅角緑内障では、手術による治療が必要になります。

治 療

 緑内障の緑内障の治療は眼圧を下げる以外にはありません。一般に点眼療法から開始されます。現在では点眼薬にいくつも系統があり、眼圧コントロールが不十分な場合は種類を増やしていきます。それらの合剤もありますので、最大で概ね3~4種類の点眼薬を使っていくことになります。その方針は正常眼圧緑内障であってもまったく同じです。その人特有の正常値を見極めて、そこから眼圧を一定以下へ常に下げることになります。

 手術治療もありますが、目的は眼圧を下げることであり、点眼治療の延長線上にあるものです。点眼での治療が不十分な場合に行われます。緑内障手術の目的は眼内の水を眼外に逃がす経路を作るものです。専門的に入院で行われるべきかと思われますので、当該施設へ紹介します。ただし、現在ではレーザー手術(SLT)や小切開緑内障手術(MIGS)といった早期の緑内障にも適応があり、点眼の手間を減らせるメリットのある治療もありますので、ご相談いただければ当院で対応可能です。


 閉塞隅角緑内障は、眼球が小さめの方が罹患の危険がある疾患です。虹彩と角膜の間=隅角が狭いため、眼内の水分(房水)がうまく循環できなくなり、眼圧上昇するものです。

 特に問題なのは、極端に房水の循環ができなくなった場合で、これを閉塞隅角発作(俗に言う緑内障の発作)と言います。急速な眼圧上昇が短時間で起こり、場合によっては失明に至ります。夜間に起きることが多く、症状としては頭痛が強いので、内科など他科を受診してしまい診断が遅れるケースもあります。これに対してはそもそも発作が起きにくい状態にしておく必要があります。現在概ね3つの方法がとられており、一つはレーザーによる虹彩切開術(LI:虹彩に穴を開けて前後の房水の移動を確保する)方法。次に白内障手術を行って水晶体を除去し、薄い人工レンズに置き換えて眼内のスペースを広げる方法。もう一つは瞳孔を縮める薬を使って水の出口である隅角を何とか広げる方法です。それぞれにメリット・デメリットがありますが、当院では最も効果が高い「白内障手術を早期に行う」をお勧めしております。



網膜裂孔・網膜剥離

症状

 網膜裂孔とは

網膜に破れ目が入った状態です。飛蚊症として自覚されることが多いです。破れ目の形が馬の蹄に似ていることから馬蹄形裂孔、あるいは穴と弁ができることから弁状裂孔などと言われます。この破れ目から目の中の水(房水)が網膜の下に入り込んでいくと、網膜剥離になります。原因の多くは、もともと網膜と硝子体が強く癒着していた部分が、加齢現象である後部硝子体剥離により引っ張られることです。外傷で強い衝撃を受けたときなどにも発生することがあります。引っ張りが持続すると裂け目が広がり、最終的には引っ張りの力がかかっていない網膜円孔になります。房水は引っ張りの力で網膜下に入り込むため、裂孔のほうが円孔よりも網膜剥離になる危険性が高いと考えられています。


網膜剥離とは

網膜裂孔や網膜円孔から網膜下に房水が侵入し、網膜が剥がれた状態を指します(裂孔原性網膜剥離)。最初は穴の周囲のみですが、徐々に範囲が拡大して黄斑部(網膜のものを見る中心)が剥がれると視力が一気に低下します。すべて剥がれてしまい長時間が経過すると、失明の危険が高くなります。

炎症などにより網膜が浮き上がる漿液性網膜剥離などもありますが、一般に網膜剥離といえば裂孔原性網膜剥離を指します。

治療

まだ網膜剥離になっていない網膜裂孔や網膜円孔の場合、穴の周囲をレーザーで焼き固めることで房水の侵入を防ぎ、網膜剥離になる危険性を大きく下げることができます。ただし、レーザーを入れにくい眼球の前方寄りの穴や、白内障などでレーザーが入りにくい場合は、冷凍凝固などの他の方法をとります。レーザー以外の治療法は、大学病院などに紹介させていただきます。

網膜剥離にすでになっている場合は、一般に手術を行うことになります。穴の部分に目の外側からシリコーンスポンジを縫い付け、内側に突出させて穴をふさぐ強膜バックル法、眼球の中の硝子体を切除し、房水の代わりに空気やガスを注入して網膜を整復する硝子体手術の2種類が現在主に行われています。例外的に、小範囲の網膜剥離に対しては外来で少量のガスを硝子体腔に注入して網膜を復位させ、その後レーザーで穴をふさぐ方法があります。長期放置された症例は増殖硝子体網膜症という網膜上に膜が張った難症例になります。大変難しい手術になってしまいますので、網膜剥離が疑われる場合は積極的に受診をしてください。

眼に対しての手術としては比較的規模の大きな手術であり、当該施設へ紹介となります。


糖尿病網膜症

症状

 糖尿病網膜症とは

糖尿病の合併症で、現在日本人の失明原因第2位の疾患です。血糖コントロール不良の状態が長期継続、あるいは異常な高血糖の状態がしばらく続くと発症する危険が高くなります。網膜血管の脆弱化、閉塞、炎症などによってさまざまな症状を伴います。初期では網膜内に小さな出血が何か所かに見られるだけで、自覚症状はありません。その後血管内の血漿成分の滲出や虚血が起きます。この時点でも通常はあまり自覚症状はありませんが、物をみる中心の黄斑部に浮腫が起きる(糖尿病性黄斑浮腫)ことがあり、この場合は視力低下を自覚します。その後虚血になっている場所が広範囲になると、血液を供給するために新しい血管(新生血管)が増えてきます。この血管はでたらめに生える傾向があり、硝子体と網膜の間に生えたりします。そして大体の場合は脆いため、目の中に大出血(硝子体出血)を起こしたりしますし、時間が経つと繊維化して網膜を引っ張り、難治性の網膜剥離(けん引性網膜剥離)になる場合があります。また、目の中の水の出口である隅角に新生血管が生えると、眼圧が上がって難治性の続発緑内障(血管新生緑内障)になります。けん引性網膜剥離や血管新生緑内障になると、失明に至る危険が飛躍的に上昇します。

治療

 まず最も大事なことは、糖尿病網膜症を発症させないことです。血糖コントロールで血糖を一定値以下に保つことで、発症を防げることがほとんどです。治療開始前に血糖が異常に高い状況が続いていた場合などは、元より発症の危険をはらんでいますが、それでも血糖コントロールは大事です。仮に治療を開始したとしても、血糖コントロール不良のままだと良い結果は得られません。

 それでも発症して治療が必要な場合、新生血管が生える前の段階までに血流障害が起きている部位をレーザーで間引きすると、その後の状況をコントロールしやすくなります。ですが、その段階では自覚症状がないため、糖尿病の方は定期的に視力・眼圧検査や眼底検査を行うことがとても重要です。

 糖尿病による黄斑部の浮腫は、治療が困難です。血糖コントロールが悪かった場合に突然血糖を下げると悪化する場合があり、この場合は更に難治です。

 新生血管が生えてしまった後でも、まずはレーザー治療となります。この段階では、中心付近を除く網膜の広範囲にレーザーを入れる形になる場合が多いです。硝子体出血を伴っており、眼底の状態がわからない、レーザーが入れられないという場合は、硝子体手術の適応になります。